【4月23日 AFP】フィリピン当局は23日、南シナ海(South China Sea)の中国が実効支配に着手している海域で、中国の沿岸警備隊がフィリピンの漁船に銃口を向け、漁獲物を強奪したと非難した。

 フィリピン水産当局によると今月11日、南シナ海の好漁場「スカボロー礁(Scarborough Shoal、中国名:黄岩島、Huangyan Island)」で、中国の沿岸警備隊の印をつけた3隻の船舶に乗った漁業従事者らがフィリピンの漁船2隻に乗り込んできて、漁獲物を奪っていったという。

 AFPが同局から入手し報告書によると、フィリピンの漁業従事者らは「銃口を向けられて脅され、中国に漁獲物を強奪された」。さらに、銃で武装した男たちはフィリピン漁船の漁業用の装備を破壊したという。襲撃された2隻の漁船は、フィリピンの20隻のスカボロー礁調査船団の一部だった。

 フィリピン外務省報道官のチャールズ・ホセ(Charles Jose)氏は23日、同事件について同国政府は外交ルートで抗議する方針だと語った。

 また、水産当局の別の報告書によると、この事件の1週間後には、中国の沿岸警備隊の船舶がフィリピンの漁船に放水し、少なくとも乗員3人が負傷し、漁船の窓ガラスが割れる事件もあった。(c)AFP/Joel GUINTO