【4月22日 AFP】米首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)のスミソニアン国立動物園(Smithsonian National Zoo)では、中国から到着した凍結精子を使いジャイアントパンダの「メイシャン(美香、Mei Xiang)」を妊娠させる計画が進められている。同園が中国から繁殖用の凍結精子を入手するのは初めてで、今春にもメイシャンの妊娠を期待したいとしている。

 同園の21日の発表によると、入手した凍結精子は、中国・四川(Sichuan)省の碧峰峡(Bifengxia)にあるパンダ保護研究基地で飼育されている9歳のジャイアントパンダのもの。この雄の精子で生まれたパンダは、まだいないという。

 飼育環境にあるジャイアントパンダの妊娠が非常に難しいことは知られているが、同園ではメイシャンが24~72時間の発情期を迎える数週間以内に授精を試みる計画だ。

 すでにメイシャンは、同園で飼育されている唯一の雄パンダ「ティエンティエン(甜甜、Tian Tian)」との間に2頭の子どもをもうけている。だが、今回の人工授精に使われる精子は、世界の繁殖可能な飼育パンダの中から算出した遺伝子学的に最良の組み合わせに基づいて選ばれたもので、生まれてくる子パンダはこれまでの2頭よりも「遺伝的により価値のある」個体となるという。(c)AFP