【4月21日 AFP】(写真追加)フランス人女性が体重を気にしすぎなのは、同国のファッション界が太めの女性を冷遇するから──そう語るプラスサイズのフランス人モデルも「痩せ過ぎ」モデルの起用を禁じる同国の法律については反対の声を上げている。

 フランスにおける体形への考え方について「文化的な壁」と形容するのは、米ニューヨーク(New York)に住むフランス人モデルのクレモンティーヌ・デソー(Clementine Desseaux)さん(26)。

 デソーさんは、4年前に移住した米国で、プラスサイズのモデルとして活躍している。フランスではプラスサイズの仕事はまれだというが、一方の米国では、女性が皆スリムではないことを販売業界が良く知っていると述べる。

 また、フランスでのプラスサイズのモデル業については「趣味」の域を超えるものではないとしながらも、「それは需要がないからではない。パリ(Paris)にもふくよかな女性はたくさんいる。誰もが細いと考えるべきではない」と指摘した。

 事実、フランス繊維被服研究所(IFTH)によると、サイズ40といった大き目のサイズがフランスでは最も多く売れているとされ、またサイズ44以上も全体の約4割を占めるという。

 そして今回、フランスにおけるこのような「アンバランスな概念」を払しょくする取り組みの一環として、プラスサイズの女性ファッションをメインとした「パルプ・ファション・ウィーク(Pulp Fashion Week)」がパリで開催され、デソーさんもランウェイを歩いた。

 主催者のブランシュ・カジ(Blanche Kazi)さんは、有名ブランドがプラスサイズのモデルを起用しないことが問題と指摘。潜在的な市場がそこには存在しているにもかかわらずと説明した。

 デソーさんも「ここでは、大きい女性に対するイメージはひどいもの。まだやるべきことがたくさんある」としながら、「私は変化をもたらしたい。いつかパリに戻ってきたいけど、まだ準備ができていない」とその胸の内を明らかにした。

 同国における現状を嘆くデソーさんだが、一方ではいわゆる「痩せ過ぎモデル」を禁止するフランス議会の考えには反対している。

 多くのモデルたちと同様、デソーさんも「細いモデル」と「摂食障害のある人」とが混同されているとの考えを持っている。「誰かに対して『痩せ過ぎだ』と言うのは、誰かに対して『太り過ぎだ』と言うのと同じぐらいばかげている」としながら、問題なのはモデルの体格指数(BMI)ではなく、一部のファッションブランドが栄養不良のモデルばかりを起用することだと指摘した。

 最後にデソーさんは、フランスのとある有名ブランドの入り口にある「重いドア」について友人から聞いたというエピソードを教えてくれた。

「入り口の重いドアを自力で開けたモデルが採用されることはない。それは力があり過ぎることを意味するから」

(c)AFP/Marc BURLEIGH and Anne-Laure MONDESERT