【4月19日 AFP】サッカー元ブラジル代表のパウロ・セーザル・カジュ(Paulo Cezar 'Caju')氏が、コカインを購入するため、1970年のメキシコW杯(1970 World Cup)の優勝メダルを売却していたことを明かした。

 65歳のパウロ・セーザル・カジュ氏はブラジルのテレビ局グロボ・ニュース(GloboNews)に対し、「感情のコントロールが利かなかった。取引を決してすべきではなかったし、貴重なメダルを売るべきではなかった」と語った。

「大きな損失だ。誰にも伝えることはしてこなかったが、今は認める心づもりがある。私にとってコカインが最も大事なもので、メダルは二の次だった」

 1960年代にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に本拠地を置くボタフォゴFR(Botafogo FR)で名を成したパウロ・セーザル・カジュ氏はその後、フラメンゴ(Flamengo)、フルミネンセ(Fluminense)、グレミオ(Gremio)、バスコ・ダ・ガマ(CR Vasco da Gama)、コリンチャンス(Corinthians)などブラジル国内リーグのクラブでプレーした。

 同氏は、フランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)でプレーした1974-75シーズンから17年間にわたり薬物とアルコールに依存し、これが原因となって、リオデジャネイロにあったアパート3つを失ったという。

 1982-83シーズンにフランスのASエクス(AS Aix)でキャリアを終えたパウロ・セーザル・カジュ氏は、同クラブの本拠地があるエクサンプロバンス(Aix en Provence)で、行いを変えなければすぐにも死んでしまうと医師から伝えられたという。

 パウロ・セーザル・カジュ氏はメキシコW杯でグループリーグの3試合中2試合で先発出場し、その後2試合で途中出場したものの、準決勝と決勝では起用されなかった。ブラジルはメキシコ市(Mexico City)で行われたイタリアとの決勝に4-1で勝利し、優勝を飾った。(c)AFP