【4月18日 AFP】コニーさんは普段はタイトで体のラインが分かる服を着て、バーで客を待つ。だが今日は、花柄の控えめなワンピースを着て、法律のクラスの初日に臨んだ。ここでは性産業で働く60人が、ニカラグアの司法制度におけるボランティア相談員になるために勉強している。コニーさんは険悪な環境でどう生き延びていくかを幼くして学んだ。今はそのストリート感覚を使って、人々に自分を守る方法を伝えようとしている。

 コニーさんは6歳のときに近所の住人にレイプされた。そのことを恥じて学校を中退、レイプされたのは彼女自身の責任だとなじる母親から逃げるために家も出た。

 それから40年、数えきれないほどの恥辱を受けながらも、活気に満ち笑顔の似合うコニーさんは今、最高裁判所の会議室でニカラグアの民法と刑法の基礎を学んでいる。このプログラムを修了したら、彼女が暮らす貧困地区の住民と、彼らに手の届きにくい司法制度の間を取り持つ相談員になる予定だ。

 2か月に1回の講習を1年間受講する同プログラムは、「サンフラワー性産業従事者協会(Sunflowers Sex Workers' Association)」が主催する無料のコースだ。サンフラワーは、売春婦が医療にアクセスしたり、専門的な職業訓練を受けたりできるようにすることを目的に3年前に設立された。

 これはニカラグアで住民間の対立を仲介するために、4300人の相談員を養成するという、17年前に始まった国の施策の一環だ。相談員の役割は、住民同士のいざこざや金銭をめぐる争いを仲介したり、住民が支援団体やさらに深刻なときには警察に助けを求めるときに手伝う。この施策のおかげで、すでに裁判所をパンク状態にしている訴訟の数を減らすという効果が得られており、中南米ではほかに8か国で導入されている。だが、性産業で働く人々が参加する試みは今回が初めてだ。