【4月18日 AFP】イラク政府は、同国治安部隊が17日に行った作戦で殺害された人物が、サダム・フセイン(Saddam Hussein)政権のナンバー2で、長期間にわたり逃亡を続けていたイザト・イブラヒム・ドゥーリ(Izzat Ibrahim al-Duri)元革命指導評議会副議長ではないかとみて遺体を調べることにしている。

 イブラヒム元副議長は米国主導の「有志連合」がイラクに侵攻した2003年にイラク政権のナンバー2の地位にあった人物で、氷を販売する仕事をしていた経験があることから「アイスマン」というあだ名をつけられていた。米国政府が作成した「イラクの重要指名手配者リスト」トランプのカードで同副議長は「クローバーのキング」だった。

 遺体がイブラヒム元副議長のものであればイラク政府にとって大きな勝利となるが、これまでは殺害が報道されても、後で音声や動画によるメッセージが公開され、同元副議長の生存が判明していた。

 イラク陸軍幕僚のアブドゥルアミル・ザイディ(Abdulamir al-Zaidi)中将は、「遺体がイザト・ドゥーリのものであることは95%確実だ。私は遺体を見たがドゥーリによく似ている」と語った。同中将によると、元副議長とみられる人物は治安部隊との約25分間の戦闘中に殺害された。遺体は検視のためバグダッド(Baghdad)に運ばれる。

 イラク・サラハディン(Salaheddin)州のラアド・ジュブリ(Raad al-Juburi)知事は、同州のハムリン(Hamreen)山脈地域での戦闘で、元副議長を含む12人の「テロリスト」が死亡したと述べた。

 インターネット上に出回った写真の遺体は元副議長に似た容姿をしているものの、フセイン政権時代にたくわえていた手入れの行き届いた口ひげではなく、赤毛の長いひげを生やしていた。(c)AFP/Marwan Ibrahim