【4月17日 AFP】パリ(Paris)の裁判所は13日、仏の著名デザイナー、故ニナ・リッチ(Nina Ricci)の孫で遺産相続人のアルレッテ・リッチ(Arlette Ricci)被告に対し、脱税の罪で禁錮1年、執行猶予2年と、100万ユーロ(約1億3000万円)の罰金を言い渡した。英金融大手HSBCのスイス子会社が富裕層顧客の脱税をほう助していたとされる疑惑、いわゆる「スイスリークス(SwissLeaks)」を発端とした裁判で初の判決となった。

 裁判所は、アルレッテ被告が父親から相続した1870万ユーロ(約23億9000万円)を20年以上にわたり意図的に隠ぺいしたと判断。また、被告がパリなどに所有する不動産400万ユーロ(約5億1000万円)相当の差し押さえを命令。アルレッテ被告はさらに、当局から未納分の税金と罰金を含む1050万ユーロ(約13億5000万円)の支払いも要求されている。

 アルレッテ被告に対する追及は、「スイスリークス」疑惑が明るみになったことを受けて始まった。弁護側は、仏当局の主張がHSBCのIT担当だったエルベ・ファルチアニ(Herve Falciani)元社員が盗んだ文書に基づいていることに繰り返し疑問を投げかけていたが、裁判所はその疑問を退けた。弁護側は、控訴を検討しているという。

 ファルチアニ元社員による内部告発データによれば、HSBCスイス子会社は約9000人のフランス人顧客について50億ユーロ(約6400億円)以上の脱税をほう助した疑いがある。また仏紙ルモンド(Le Monde)は、同子会社が12万人以上の顧客の1806億ユーロ(約23兆1000億円)の脱税を助けた疑いを報じた。HSBCは先週、こうした容疑をめぐりフランス当局の捜査対象となっていることを明かしていた。(c)AFP