【4月15日 AFP】西部北太平洋のメスのコククジラが、哺乳類としては最長距離の移動を単独で行っていたとする論文が14日、英専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に掲載された。

「バーバラ」の愛称を持つ9歳のこのコククジラには、2011年にロシアのサハリン(Sakhalin)島沖で発信器が装着されていた。バーバラは太平洋の北西部から北東部へと移動。その後カナダから米国の西海岸沿いを南下し、メキシコのバハカリフォルニア (Baja California)沖の繁殖地にたどり着いた。

 研究者らによると、バーバラはこの間、1万880キロを69日かけて移動し、哺乳類の移動としては最長距離を記録したとしている。一方復路では、やや南のルートを172日かけて2万2511キロの距離を移動し、往復距離としても最長を記録したという。

 これまで確認されていた中では、最も長い距離を移動する哺乳類はザトウクジラだった。2010年に発表された研究によると、あるザトウクジラは、ブラジル沖からマダガスカルまで片道9800キロの距離を移動している。(c)AFP