【4月13日 AFP】背後で中国が支援している可能性が最も高いハッカー集団が、東南アジア諸国やインドの政府・企業に対して過去10年以上にわたり、隠密に情報収集活動を行っていたとする報告を13日、米サイバーセキュリティー会社ファイア・アイ(FireEye)が発表した。

 ファイア・アイによると「APT30」と呼ばれているこのハッカー集団は2005年以降、中国の利益に沿って各国の政府、企業、ジャーナリストらの「機密情報」を組織的に標的としてきた。報告は「確認されているAPT30の標的と被害者に基づくと、この集団の関心は、東南アジア地域の政治・経済・軍事問題、領有権が争われている地域、さらに中国共産党の正統性に関する話題に集中していると思われる」と指摘している。

 また活動の規模と期間の長さが他のハッカー集団とは異なり、専門家らは背後に国家の支援があるとみており、ハッカー集団の関心の向け方から、中国の存在が浮かび上がっている。シンガポールにあるファイア・アイのアジア拠点は「このように息が長く、計画的に開発された活動に加え、この集団の地域的な標的や使命を合わせみると、活動は国家が支援していると思われ、最も可能性が高いのは中国だ」と分析している。

 中国政府はこれに対し、何も反応を示していないが、同国は常にサイバースパイ活動に関する疑惑を否定している。(c)AFP