【4月13日 AFP】「大きな変革」について語るその動画に出演したとき、米国の同性カップル、ジャレド・ミルラッド(Jared Milrad)さんとネイト・ジョンソン(Nate Johnson)さんは、今夏に予定している自分たちの結婚式がヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前米国務長官(67)の次期大統領選への出馬表明動画で大きく扱われるなどとは予想だにしていなかった。

 公開されてすぐに今年の政治動画の再生回数トップに躍り出たクリントン氏のキャンペーン動画には、2人が手をつないで歩く姿が映っている。

 友人たちからの電話でこの事実を知ったというミルラッドさんは、「あのとき僕らは一緒に買い物に出掛けたんだ。結婚式の招待客について話し合っていた」とAFPに明かした。米国社会における大きな変革の一例として自分たちが取り上げられたこと、そして同性婚の権利に対する支持が社会に広がり、ついには大統領選の出馬表明に登場するまでに至ったことが、とてもうれしいという。「僕らの歩いてきた道のりの遠さを物語っている」

 動画には2人の他にも、さまざまな米国人が登場する。起業を志すヒスパニック系の兄弟、職場復帰を目指す母親、卒業間近のアジア系大学生、もうすぐ子どもが生まれるアフリカ系の夫婦――これらは、クリントン氏が支持を訴えかける層の幅広さを反映している。

 今風のBGMが流れる活気に満ちた動画の中で、クリントン氏の登場シーンは半分にも満たない。「普通の米国人は擁護者を必要としています。私は、その擁護者になりたいのです」とクリントン氏は訴える。一方、「この夏、僕は心から愛する人と結婚するんです」と語る弁護士のミルラッドさんは、「普通の米国人」を代表する1人として描かれている。

 ミルラッドさんは出馬発表から数分のうちに、マイクロブログのツイッター(Twitter)への投稿でクリントン氏への支持を表明し、ジョンソンさんとの結婚式に同氏を招待した。

 健康コンサルタントを務めるジョンソンさんによると「まだヒラリーから正式な返事はない」。だが、2人は「1つ席を余分に用意しておくつもりだ」という。(c)AFP