【4月6日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が大部分を制圧したシリアの首都ダマスカス(Damascus)南部のヤルムーク(Yarmuk)・パレスチナ難民キャンプから、約2000人が避難したことが分かった。パレスチナ当局者が5日、AFPの取材に対し明らかにした。

 パレスチナ解放機構(Palestine Liberation OrganizationPLO)のアンワル・アブドル・ハディ(Anwar Abdul Hadi)氏は、「約400世帯のおよそ2000人が3日と4日にキャンプを去り、2つの安全な道路経由でシリア政府軍支配下のザヒラ(Zahira)地区へと向かった」と述べた。避難は現在も続いているという。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)もまた、住民の避難を報道。避難は政府軍とパレスチナ各派が協力して行い、政府は避難民のためのシェルターを設置したと報じた。アブドル・ハディ氏によると、キャンプから避難した人の大半は政府設置の避難所に収容され、少なくとも25人が病院に運ばれた。

 ISが1日に開始した進攻で大部分を制圧したヤルムーク難民キャンプでは、住民の多くがISの戦闘員らに包囲されている。英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、同キャンプ内では1日以降、民間人とISおよびパレスチナ各派の戦闘員ら少なくとも26人が死亡した。(c)AFP