【4月3日 AFP】スイス・ローザンヌ(Lausanne)で期限を延長して続けられていたイランと主要6か国による核協議で2日、実現すれば歴史的となるイランの核兵器開発の阻止を目指した合意の枠組みがまとまった。

 これはイランの核兵器開発を危惧してきた欧米とイランの12年に及ぶ対立に風穴を開け、中東に安定をもたらす一助になるのではという期待が高まっている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、ホワイトハウス(White House)からテレビ放映された演説で、長く敵対関係にあったイランとの「歴史的な理解」を歓迎するとしながらも、まだなすべき仕事が残っていると指摘し、「もしイランが欺けば、世界がそれを知ることになる」と述べた。

 この枠組みの下でイランは、同国経済をまひさせてきた制裁解除の見返りに、核計画を大幅に縮小することに合意した。

 一方イランを敵視するイスラエルは今回関係各国が一致したこの枠組みについて、「歴史的な過ち」だと批判した。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国(いわゆるP5+1)とイランは、これまで8日間にわたり時には夜を徹して続けてきた協議でまとめたこの大枠を、今度は6月30日までに最終合意として確定させなければならない。それは極めて複雑な内容になるとみられる。

 最終合意に至ることができなければ、イランの核開発を妨害するため米とイスラエルが軍事行動に出る可能性や、イランが国際社会で引き続き孤立する恐れもある。

■「記念すべき日」

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は「記念すべき日」になったと述べ、ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)イラン大統領は、6月30日の期限までに最終合意をまとめるため、直ちにその草案作りに入る意向を明らかにした。

 欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表は、イランが今回の枠組み合意を順守していると国連(UN)の原子力機関が確認すれば、米とEUがイランの核開発に関連して発動している全ての制裁を解除すると発表した。米はこれに加え、イランの核開発に関する過去の全ての国連決議も取り下げられる見通しだとしている。(c)AFP/Siavosh GHAZI, Simon STURDEE and Jo BIDDLE