【3月29日 AFP】南極海で活動していた日本の鯨類調査船団が28日、山口県下関市の下関港に帰還した。今回は南極海調査捕鯨の中止を命じた国際司法裁判所(International Court of JusticeICJ)の判決を踏まえ、約30年前に始まったこの調査で初めて鯨の捕獲を見合わせた。

 帰還した調査船は、勇新丸(Yushin Maru、724トン)と第二勇新丸(Yushin Maru No. 2、747トン)の2隻。朝日新聞(Asahi Shimbun)は、1987年に始まった南極海での調査捕鯨で、鯨を捕獲しなかったのは初めてだったと伝えた。同紙はまた、2隻が3か月間の活動中に反捕鯨団体の妨害行為を受けなかったと付け加えた。

 日本政府は今回の調査活動で鯨を捕獲しない方針を明言し、調査船からは捕鯨砲を取り外していた。報道によると、乗組員らは目視調査や皮膚標本採取のみを行った。ICJは昨年3月、商業捕鯨モラトリアムで規定されている科学調査の例外を悪用しているとして、日本の調査捕鯨の中止を命じていた。(c)AFP