【3月29日 AFP】地球温暖化の防止を呼び掛ける環境キャンペーン「アースアワー(Earth Hour)」が行われた28日夜、パリ(Paris)の象徴であるエッフェル塔(Eiffel Tower)、ベルリン(Berlin)のブランデンブルク門(Brandenburg Gate)の照明が落とされ、有名な香港(Hong Kong)の夜景も姿を消すなど、世界各地のランドマークが消灯した。

 温暖化が進む地球の厳しい状況に注目を集めるため、消灯は多くの場所で現地時間の午後8時30分から1時間にわたって行われた。2007年にシドニー(Sydney)で始まったこのキャンペーンは、瞬く間に世界各地に広まった。

 非営利団体アースアワー(Earth Hour)のサダンス・サロンワラ(Sudhanshu Sarronwala)理事長は消灯前にAFPに対し、「170以上の国と地域、1200以上のランドマーク、40近い国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)世界遺産がこの活動への参加を表明している」と語った。

 今年は治安上の懸念からエッフェル塔が消灯時間を5分に短縮するなどした一方で、世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)によると、フィリピンでは暗闇の中での「ズンバ(音楽に合わせて体を動かすダンスエクササイズ)」パーティーが行われ、フィンランドでは世界最大規模とうたわれたキャンドルライト・ディナーが組織されたほか、ロンドン(London)のレストランではキャンドルをともした店内で食事が提供された。

 このキャンペーンの目的は、計測可能な形で一定量の節電を実現することではなく、持続可能なエネルギー利用への認識を高めること。今年は地球に害を及ぼしている気候変動を食い止めるための活動の実施も訴えた。(c)AFP