【3月27日 AFP】韓国・平昌(Pyeongchang)で行われる2018年の冬季五輪で、フィギュアスケートのシンクロナイズドスケーティングを実施するか否かについて、国際スケート連盟(ISU)会長は26日、五輪関係者に「前向きな決断」を求めた。

 ISUのオッタビオ・チンクアンタ(Ottavio Cinquanta)会長は、同種目の導入は誰にとっても「利益になる」と話した。ISUはすでに昨年、五輪幹部と公式に接触し、追加を提案している。

 シンクロナイズドスケーティングは、多人数で1つのプログラムを滑る種目で、1チームは補欠を含めた20人で構成される。国際オリンピック委員会(IOC)が提案を支持すれば、平昌冬季五輪で実施される可能性がある。

 チンクアンタ会長は、現在世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2015)が行われている上海(Shanghai)で記者会見に臨み、「6月には、シンクロナイズドスケーティングが加わるかどうかが決まる」と話した。

「前向きな決断をしてくれればと思っている。われわれは新しいスポーツを発展させたいし、そのことが観客やメディアなど、みんなの利益になると思っている」

 米国フィギュアスケート協会(U.S. Figure Skating)の公式ウェブサイトによれば、シンクロナイズドスケーティングは「チームワークとスピード、複雑なフォーメーション、難易度の高いステップシークエンスを特徴とする」種目だという。

 現在は主に、米国、カナダ、スカンディナビア諸国で人気がある。

 以前から懸念材料として挙げられているのが、大人数が参加する種目であるがゆえの費用で、IOCが現在打ち出しているコスト削減の方針とはそぐわない。

 しかし、チンクアンタ会長はこうした不安を一蹴し、五輪での実施方式については柔軟に考えていく意向だと語った。

「費用がかかりすぎるとIOCが言うなら、われわれに任せてくれて構わない。そうすれば、追加のために何かこちらでできることがないかを検討する」

 ISUは前回のソチ冬季五輪でも、フィギュアスケートの団体戦を種目に追加するキャンペーンを行い、実施にこぎつけている。(c)AFP