【3月25日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は23日、イランと主要国との核協議でイスラエルがスパイ活動を行い協議内容の詳細を米議員に漏らしていたと伝えた。

 現役と元職の複数の米政府高官が匿名を条件に、イランとの合意に向けて米政府が推進する核協議の妨害を狙ってイスラエルがスパイ活動を行い、得た情報を米議員らに漏らしたとWSJに語ったという。

 報道を受けて米政府は24日、イスラエルに対しては今後も核協議に関する説明報告を続けていくと言明した。

 米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は、秘密情報の漏えいについてはこれまでも懸念を表明してきたと前置きしたうえで、核協議の機密を確実に保てるよう対策を講じたと語った。

 サキ報道官は、イスラエルがイランとの核協議をスパイしていたというWSJの報道について肯定も否定もしなかったが、米政府は上下両院議員やそのスタッフらに対してイランとの核協議について頻繁に説明してきており、「議会が核協議の詳細情報を得るために外国の政府に頼るという考えは理に合わない」と述べた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、イランの核開発をめぐる合意締結をめざしたイランと主要国との協議に強硬に反対している。

 イスラエルのアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)外相は、WSJのスパイ疑惑報道について「誤りであり不正確だ」と述べて真っ向から否定。ユバル・シュタイニッツ(Yuval Steinitz)情報活動相も「偽りの主張だらけだ」と不快感を示した。(c)AFP