【3月25日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は24日、オーストリアのウィーン(Vienna)で総会を開催し、ほかに立候補者がいないことから、現会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏の再選が承認された。

 サッカー界のレジェンドでもあるプラティニ氏が、UEFA会長としての「ハットトリック」を達成し、世界有数の収入を誇るスポーツの統括団体で会長として3期目をスタートさせることが決まった。

 そしてプラティニ氏は、加盟54か国に拍手で3選を承認された直後から、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長との対立姿勢を明確にした。

 FIFAは5月29日に会長選を予定しており、ブラッター現会長の再選が有力視されている。

 しかし、今回はFIFA副会長でヨルダン出身のアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子、オランダサッカー協会(KNVB)の会長ミカエル・ファン・プラーク(Michael van Praag)氏、そして元ポルトガル代表のルイス・フィーゴ(Luis Figo)氏が立候補しており、ブラッター会長は初めて3人の候補者と争うことになる。

 2022年のW杯カタール大会(2022 World Cup)をめぐる事情に怒りをあらわにしている欧州は、反ブラッターの選挙戦を先頭に立って展開している。

 ブラッター会長も姿を見せたこの日、プラティニ氏はFIFAの醜聞まみれの体質を改めて批判した。

「われわれはFIFAを心から愛している。欧州のあらゆるサッカー団体がFIFAを心から愛している。それはわれわれの敬愛するFIFAが、完璧であってほしいと願っているからだ」

 プラティニ氏はさらに、同じく総会に出席したアジア、北米、南米、オセアニアの各連盟の会長に対しても協力を呼びかけた。

 プラティニ氏は特定の名前を挙げなかったものの、「一部の人間が、われわれを仲たがいさせ、分裂させて抑え込もうとたくらんでいるようだ」と語った。

「彼らは欧州は傲慢(ごうまん)で自分勝手だと主張し、欧州を孤立させようとしている。そうした言葉を、決して信じてはならない」

「たしかに、われわれは恵まれた立場にあることを自覚している。しかし、われわれは自分たちが間違いを犯し、必ずしもほかより優れているわけではないことも自覚しているのだ」

「ご理解いただきたいのは、われわれが世界のサッカーのために、世界の209の加盟協会のために、そしてFIFAのために、みなさんと手を取り合い、協調したいと願っているということだ」

 この日はブラッター会長も総会の冒頭で登壇し、「サッカーの土台である団結と一体感」を強調したが、申し訳程度の拍手しか起こらなかった。

 ブラッター会長は、対立候補の3人については言及せず、FIFA会長としての自身の役割について、「欧州とともに、それぞれの組織の内外に団結を生まなくてはならない」とだけ述べた。(c)AFP