【3月24日 AFP】競泳で4つの五輪メダルを獲得している韓国の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)は、ドーピング違反による18か月の出場停止処分が、2016年のリオデジャネイロ五輪開幕前には明けるものの、国内の規則により同五輪には出場できない可能性が出てきた。

 大韓体育会(KOC)の職員は24日、ドーピング違反で出場停止処分となった選手は、例外なく3年間除名されるという新規則に、韓国の国民的英雄である朴が抵触することになると明かした。

 この職員は、匿名を条件に「規則通りに適用されるなら、朴は来年の五輪に参加できない」とAFPに語った。

 昨年7月にKOCが定めた規則では、ドーピングによる出場停止処分が明けた日から3年間、その選手は韓国代表として競技に参加できないとされている。

 国際水泳連盟(FINA)から18か月の出場停止処分を科された「マリンボーイ(Marine Boy)」こと25歳の朴は、第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)が開幕する前の昨年9月3日に行われた抜き打ち検査で、検体がアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)に陽性反応を示していた。

 朴の処分は2016年3月2日まで適用されるため、今年7月にロシアのカザニ(Kazan)で開幕する第16回世界水泳選手権(16th FINA World Championships)には出場できないものの、来年のリオデジャネイロ五輪には臨めるはずだった。

 同職員は、これまで3年間のルールが導入された例はなく、朴に対してこれを適用すべきかどうか、委員会としては立場を明確にしていないことを強調し、「常に柔軟に対応する余地はある」と語った。

 朴は、21日以内にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴することができるものの、FINAのコーネル・マルクレスク(Cornel Marculescu)事務総長はAFPに対して、同選手が裁定に異議申し立てを行うことは想定していないと述べている。(c)AFP