【3月24日 AFP】国際水泳連盟(FINA)は23日、五輪で4つのメダルを獲得している韓国の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)がドーピング検査で陽性となったことを受け、18か月の出場停止処分を言い渡した。

 25歳の朴は、第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)開催前の昨年9月3日に提出した検体が、アナボリック・ステロイド(anabolic steroid)に陽性反応を示した。

 初めてのドーピング違反を犯した朴は、来年3月2日まで資格が停止され、ロシアのカザニ(Kazan)で行われる第16回世界水泳選手権(16th FINA World Championships)にも出場することができない。しかし、2016年のリオデジャネイロ五輪では復帰が可能になる。

 FINAのコーネル・マルクレスク(Cornel Marculescu)事務総長は、AFPに対して「彼はカザニに来ることはできないが、2016年のリオ五輪には出場する可能性がある」と話しており、朴がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行うことは想定していないという。

 この結果、ドーピング違反となった昨年9月3日以降の記録はすべて取り消され、母国開催だったアジア大会で獲得したメダルもはく奪される。

 韓国の検察当局は先月、朴に禁止薬物のテストステロン(testosterone)が含まれることを伝えず注射を施した医師を起訴したと発表しており、国内で大きな話題となった。

「マリンボーイ(Marine Boy)」の異名を持つ朴は、昨年7月に注射を施された結果、9月に提出した自身の尿サンプルが陽性反応を示したと主張していた。

 朴は、2008年の北京五輪で400メートル自由形を制すと、200メートル自由形でも銀メダルを獲得し、韓国に初めて五輪の競泳競技のメダルをもたらした。

 また、4年後のロンドン五輪でも2種目で銀メダルを獲得し、2007年と2011年の世界水泳選手権でも400メートル自由形で金メダルを手にしている。

 しかしながら、ぜんそく治療のため5歳で水泳を始めた朴は、自身の名を冠したプールで行われた昨年のアジア大会で、一つもタイトルを獲得することができなかった。(c)AFP