【3月14日 AFP】イラク政府軍は13日、イラク北部の都市ティクリート(Tikrit)奪回のためのイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」との戦闘を優勢に続けた。これに対しISは、今後も同組織の支配地域を拡大する意志を示した。

 イラク政府軍はIS戦闘員の残党数百名を包囲し、ヘリコプターや重火器による攻撃を続けているが、ISにより市の中心部に仕掛けられた爆弾を避けるために慎重に進んでいるという。

 11日にティクリート市内に深く進攻して2日がたち、現地警察筋はイラク政府側が同市の5割を奪回したとの見方を示した。

 同警察筋はAFPに対し、「イラク政府軍は市中心部にIS戦闘員を追い詰め包囲している。市内全域に1万個程度のIED(簡易爆発物)が仕掛けられているとみられるため、慎重に進撃を続けている」と語った。

 政府側に比べ圧倒的に人数が少ないIS戦闘員は、わなや路肩に仕掛けた爆弾、狙撃手、そして時折行う自動車爆弾による自爆攻撃で防戦している。

 警察とイラク陸軍の少佐によると、13日朝、ティクリート市内で発生した自爆攻撃で政府側の兵士6人が死亡、11人が負傷した。

 ティクリートは同国の独裁者、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の出身地。同元大統領に忠誠を誓ったバース党(Baath Party)の残党はISと協力し、昨年6月にイラク全土の約3分の1を支配下に置いていた。(c)AFP