【3月12日 AFP】秘密保持はスパイ技術の基本のはずだ。だが、インターネット上での情報収集能力の強化を英政府が求める中、同国の政府通信本部(GCHQ)はこのほど、「テロリスト」を特定する方法を記したマニュアルを公開した。

 GCHQのホームページに掲載されたマニュアルは5段階を踏んでその技術を学ぶもので、トレンチコートを着た伝統的なスタイルのスパイの挿絵も描かれている。明らかに、秘密裏に行われてきた活動をより透明性のあるものにしようとの考えを反映したものだ。

How does an analyst catch a terrorist?(分析官はいかにテロリストを特定するか?)」と題されたマニュアルでは、外国で発見された不審人物の身元を特定するのにGCHQの分析官が実際に使用する複数の方法などが説明されている。

 GCHQの報道官はAFPに宛てた電子メールの中でこのマニュアルについて、「GCHQの活動全てを統制する包括的な法体系に順守すべきというわれわれの揺るぎない文化を改めて明確に示すものだ」と述べた。

 米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が機密文書を暴露したことを受け、GCHQとNSAはこれまで実施してきた監視の規模について批判の矢面に立たされてきた。しかし、両者はいずれも、法律は順守してきたと反論している。(c)AFP