【3月11日 AFP】アイルランド議会は10日、「エクスタシー」や「ケタミン」、「マジックマッシュルーム」などの違法薬物の所持が一時的に合法と認められる状態になったことを受け、抜け穴をふさぐ緊急法案の可決を急ぐため夜間も審議を継続した。

 同国政府は2011年、1977年薬物乱用法の規定に基づく禁止薬物のリストに新たにメチルエトカチノンを追加した。しかし、この追加が議会の承認を得ずに実施されたことから、アイルランドの裁判所が10日までにこの追加を違憲とする判断を下し、該当する条項で規制されていた100種類以上の薬物の所持が一時的に合法の状態となった。ただし、これら薬物の販売と提供、輸出入は依然として違法のままとなっている。

 この裁判は、リスト改訂前は合法ドラッグや脱法ハーブを取り扱う店で販売されていたメチルエトカチノンの所持で起訴された被告の男が、新たなリストが違憲だとして訴えていた。

 医師でもあるレオ・バラッカー(Leo Varadkar)保健相は、これらの薬物には「全て、知られている嗜好(しこう)目的の効果を上回る非常に大きなリスクがある」と指摘。議会に提出した緊急法案は裁判所の判断が示される前から準備をしてきたものであり、24時間以内に上下両院を通過する見通しだと発言している。

 また、保健省によれば「ヘロインやコカイン、大麻など古くから知られる薬物の提供、所持または販売」には、今回の判決は影響を及ぼさない。(c)AFP