【3月10日 AFP】英国で開催された世界最大のドッグショー「クラフツ(Crufts)」で、新たに出場犬5匹に毒が盛られた疑いが出ている──。8日に閉幕した同ドッグショーをめぐっては、入賞を果たした後に死んだアイリッシュセッターの毒殺疑惑が持ち上がり、世界のブリーダーたちに衝撃を与えたばかり。ただ、クラフツの運営側は新たな疑惑について「まだうわさの段階」であるとの見解を示している。

 今年のショーでは、アイリッシュセッターの「ゼンダラ・サティスファクション(Thendara Satisfaction)」、通称「ジャガー(Jagger)」が会場で毒入りの牛肉を与えられたために死んだと飼い主らが主張したことから、調査が開始されている。

 さらに9日の英各紙の1面では、その他にも最大で5匹の犬に毒が盛られた疑いがあると大々的に報じられた。

 デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は、過去に複数の受賞歴があるシェットランドシープドッグと別の犬が、コンテストの直前に毒を盛られて体調を崩したと主張する飼い主のマイリー・トーマス(Mylee Thomas)さんの声を伝えた。トーマスさんは「大会のライバルを負かそうとした者の仕業に違いない」と非難するコメントを寄せている。

 同紙によると、その他にもウエストハイランドホワイトテリア1匹、アフガンハウンド1匹、シーズー1匹がクラフツ出場後に体調を崩したという。

 一方、クラフツの広報担当者は、新たな疑惑について「今の時点ではただのうわさにすぎない」と説明。会場の獣医師からは特に問題の報告はなく、飼い主からの正式な苦情も受け取っていないと述べている。クラフツは1891年から開催されている。(c)AFP