【3月9日 AFP】ニジェールとチャドは8日、隣国ナイジェリアの北東部で、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に対する地上と空中からの大規模な軍事作戦を開始した。

 ボコ・ハラムが6年前に開始した武装闘争はナイジェリアから国境を越えて広がっている。今回の作戦は、ボコ・ハラム一掃を目指す周辺諸国の努力における新たな戦線を開くものだ。

 ニジェールの首都ニアメー(Niamey)で匿名を条件にAFPの取材に応じた同国政府筋は、「ニジェール軍とチャド軍は今日の早朝、ボッソ(Bosso)とディファ(Diffa)付近の両地域でボコ・ハラムに対する攻勢を開始した」と語った。

 ディファの地元ラジオ局は、戦車、救急車、給水車、輸送トラックに加え、機関銃を装備した車両を含む200台以上が国境に向かうのが目撃されたと伝えた。同ラジオはさらに、7日と8日早朝にボコ・ハラムの拠点を標的とした空爆があったと付け加えた。またディファの住人と援助活動家によると、国境に向かう部隊が目撃され、激しい銃撃音も聞こえたという。

 以前は精彩を欠いていた対ボコ・ハラム作戦は、2月にカメルーン、チャド、ニジェールの各国軍の部隊が展開されたことで、新たな活力を得ている。

 欧米諸国はボコ・ハラムによる武装闘争を地域上の問題としてとらえ、直接介入は避けてきた。だが、ボコ・ハラムが7日夜、音声メッセージを通じてイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」への忠誠を誓ったことで、情勢は一変するかもしれないと専門家はみている。(c)AFP/Boureima HAMA with Phil HAZLEWOOD in Lagos