「馬の骸骨」の彫刻、英ロンドン・トラファルガー広場に登場
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【3月6日 AFP】英ロンドン(London)の観光名所トラファルガー広場(Trafalgar Square)に5日、ゆったりと歩く「馬の骸骨」の彫刻が登場した。気取った様子で掲げた左前脚に飾られたリボンは、ロンドン証券取引所(London Stock Exchange)の株価を表示する電光掲示板になっており、世界有数の金融都市であることをさりげなく象徴している。
「贈り物の馬」と名づけられたブロンズ像は、ドイツ出身で米国を拠点に活躍する芸術家、ハンス・ハーケ(Hans Haacke)氏(78)が手掛けた。
彫刻のサイズは実物の馬の2倍で、高さ4.57メートル、重さ1700キロ。馬を非常に正確に描いたことで知られる英画家ジョージ・スタッブス(George Stubbs)のエッチング画を元にしている。
馬の左前脚に取り付けられた電光掲示板には、ロンドン証券取引所のFTSE100種総合株価指数がリアルタイム表示される。ロンドン市長室によると、同市の「権力、金融、歴史を結ぶ輪を完成させている」という。除幕式に出席したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)市長は、「間違いなく餌が足りず衰弱した」この馬は「行き過ぎた緊縮財政の象徴」ではなく、「馬の一生を表現したもの」だとコメント。「ロンドンが金融・商業においてのみなず、芸術と文化においても世界に冠たる首都だということ」を立証する作品だと述べた。
トラファルガー広場の四隅にはそれぞれ4つの台座が設置され、うち3つには彫刻が飾られているが、1841年に設置された第4台座は資金難で予定されていた彫刻が完成されないまま空となっている。1998年以降、この台座は現代美術作品の展示に使用されており、これまでにも瓶に入った巨大な船や、生まれつき両腕のない英芸術家アリソン・ラッパー(Alison Lapper)氏による腕のない巨大裸婦像などが飾られてきた。
「贈り物の馬」は来年まで展示される予定。(c)AFP