【3月3日 AFP】男子テニスの錦織圭(Kei Nishikori)は、2日に発表された最新のATPランキングで、日本人選手歴代最高タイの4位に浮上し、クルム伊達公子(Kimiko Date-Krumm)と並ぶ快挙を達成した。

 男子アジア勢としても史上最高位に上り詰めた錦織は、自身のツイッター(Twitter)に、「たった今、最新ランキングを見た。今週4位になって、また一歩前進したことをとても誇りに思う」と投稿した。

 昨年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)で準優勝を果たした錦織は、世界ランクでアンディ・マレー(Andy Murray、英国)を抜き去り、追いかける選手はノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)だけとなった。この順位を維持できれば、四大大会(グランドスラム)では、準決勝まで上位3選手と当たることがない。

 元日本1位の松岡修造(Shuzo Matsuoka)氏はAFPに対し、「彼には天賦の才能がある」と話すと、「想像力があり、誰も教えることができないショットを打てる」と分析した。

 メンフィス・オープン(Memphis Open 2015)で3連覇を果たし、ツアー通算8勝目を達成したばかりの錦織は、グランドスラム通算14勝を誇る世界ランク3位のナダルに、260ポイント差まで迫っている。

「説明もできないくらいの快挙」と驚きを隠せない松岡氏は、細身の錦織を大相撲の力士に例え、「まさに、横綱級のテニスになってきている」と述べている。

 2008年のデルレイビーチ国際テニス選手権(Delray Beach International Tennis Championships)で、世界ランキング244位ながらツアー初優勝を飾り、一躍脚光を浴びた錦織は、今や日本では大スターとなっている。

 昨年の全米オープン決勝で、男子アジア勢初のグランドスラム制覇に期待がかかる中、錦織はクロアチアのマリン・チリッチ(Marin Cilic)に敗れた。

 女子では、昨年引退した中国の李娜(Na Li、リー・ナ)氏が、昨年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)優勝後に世界ランク2位となる快挙を成し遂げ、2011年には全仏オープン(French Open 2011)女王に輝くなど、アジアテニス界の先駆者となっていた。

 錦織のコーチを務めるマイケル・チャン(Michael Chang)氏も、台湾出身の両親の下に生まれ米国で育ち、1989年の全仏オープンで優勝するなど、世界ランク2位に到達した実績を持つ。(c)AFP