【2月27日 AFP】アフガニスタンとリビア上空での任務を経験してきたフランス軍のラファール(Rafale)戦闘機パイロットの「シャルピー」さんは、イラク領内でのイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する任務で新たな課題に直面している。

 ペルシャ湾に展開中の仏軍主力原子力空母シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)に戻ったシャルピーさんは、「われわれは十分な訓練を積んでいて、手順もよく分かっているが、それでもこの地域に慣れる必要がある」と語った。

 フランス軍は、米国が主導するイラク領内での対IS空爆作戦に参加している。アフガニスタンと同じく、今回の敵も非常に機動力が高く、その所在を捉えるのは難しい。また、IS戦闘員は地元住民に紛れているため、有志連合の空爆や、ISに占拠された都市奪還を狙うイラク政府軍の攻撃を困難にしている。

 シャルピーさんによると、空軍が地上部隊を支援するこれまでの任務とは異なり、イラクでは現在、「地上にはほとんど部隊がいない」。「戦闘機は、敵の動きや配置変更を確認する役割を持っている。これまでとはだいぶ違う戦い方だ」という。

 空母から発進したラファール戦闘機と艦上攻撃機シュペル・エタンダール(Super Entendard)は北西に向かい、イラクでISが拠点としているティクリート(Tikrit)やモスル(Mosul)などに出撃した。その後、有志連合の補給機から空中給油を受け、主に偵察を行う作戦対象地域の上空とその周辺での飛行を続けた。

 これらの戦闘機は、有志連合の攻撃対象になりそうな地点の写真を撮影したり、イラク政府軍や同国のクルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)を支援したりする。

 シャルピーさんは、敵と交戦する時が最も難しいと述べ、「素早く反応し、場合によっては爆弾投下やミサイル発射をしなければならない。ストレスが高い任務だ」と話した。