【2月26日 AFP】シリアで、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」により少数民族アッシリア人のキリスト教徒90人が拉致されたことを受け、恐れをなした多数の家族が自宅を逃れ避難したことが分かった。スウェーデンの「アッシリア人権ネットワーク(Assyrian Human Rights Network)」が25日、明らかにした。

 同ネットワークのディレクター、オサマ・エドワード(Osama Edward)氏におよると、シリア北東部ハサケ(Hassakeh)県の複数の村から1000世帯近くのアッシリア人キリスト教徒の家族が避難。うち約800世帯がハサケ市に、150世帯がトルコと国境を接するクルド人都市カーミシュリー(Qamishli)に避難している。これまでに避難した住民は約5000人に上っているという。

 また、ISが拉致した信者の大半が女性や子ども、または高齢者だったという。エドワード氏はAFPの取材に対し、集団拉致の背景には、米国主導の有志連合による空爆作戦でISが最近被った損失があると指摘。「ISは有志連合による空爆で領地を失いつつあり、人間の盾として使うために人質を取った」と語った。クルド人部隊との地上戦を続けるISは、アッシリア人キリスト教徒らを使って捕虜交換を試みる可能性があるという。

 同氏は、IS戦闘員の目標は、シリアとイラクをつなげるハブール川(Khabur)に架かる橋に近いアッシリア人キリスト教徒の村Tal Tamerの掌握にあると述べている。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ISと戦うクルド人部隊は25日、アッシリア人の村3つとアラブ人の村1つを奪還したが、同地域では依然として戦闘が続いている。(c)AFP/Rana Moussaoui