【2月24日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)の保健当局は23日、はしかにかかった同市在住の1歳半の男児が18日に死亡したと発表した。同市では、同国で近年起きた中では最悪規模のはしか流行が起きており、予防接種に関する議論が持ち上がっている。

 ベルリンの保健当局者がAFPに明かしたところによると、同市で昨年10月以降に報告された570人以上のはしか患者のうち、死亡が確認されたのはこの男児が初めて。

 予防可能なはずのはしかの再流行は、ドイツに加え米国の一部でもみられるが、その背景には、子どもの予防接種を拒否する風潮が一部の親の間で広がっていることがある。

 ヘルマン・グレーエ(Hermann Groehe)独保健相は、「一部の予防接種反対派が根拠もないのに恐怖感をあおっているのは無責任だ」「子どもの予防接種を拒否する人々は、自分の子だけでなく他人の子どもたちも危険にさらしており、深刻な健康問題に発展しかねない」と警告した。

 保健省関係者らは23日、今のところはしかの予防接種を義務化する計画はないとしながらも、乳幼児の初期の健診時に予防接種の必要性に関する情報を親に確実に提供していくよう、政府が徹底していくとしている。

 保健省報道官は、定期健診の際に予防接種証明書の確認も実施していくとしており、「もしそれで効果がなければ、他の措置を考えざるを得なくなるだろう」と話している。(c)AFP