■有効な対策はあるのか

 テロ対策の専門家によれば、ISに参加するために英国からシリアに渡った女性は50人ほどに上る。英大衆紙で「イスラム過激派の花嫁」がたびたび記事になる中、英国政府は今月、IS支援目的でのシリア渡航が疑われる場合には渡航前に旅券を押収できるとした法律を施行した。だが、3少女の場合、渡航前にISへの関心が疑われなかったため、同法を適用することはできなかった。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、さらなる措置として空港での審査強化を発表するとともに、学校や大学に対し、ISへの傾倒が疑われる生徒や学生を特定するよう求めた。

 イスラム教徒として英国初の女性閣僚となりながら英政府のパレスチナ政策に抗議して辞任したサイーダ・ワルシ(Sayeeda Warsi)氏は、イスラム教徒の若者が過激化する背景にインターネットの影響があると警告。「人は、片道切符でテロリストになるのではない」と衛星放送スカイニューズ(Sky News)に語った。

 シンクタンク「戦略対話研究所(Institute of Strategic Dialogue)」のロス・フレネット(Ross Frenett)氏も、この見解に同意。過激化するのは帰属意識を持てない人たちだと述べ、イスラム過激派がネット上で展開するプロパガンダ(宣伝)活動に対し、より強力な対策が必要だと訴えた。

 フレネット氏は、帰属意識を持てないのは周囲の環境になじめない人々に限られないと指摘。「大量のあらゆるタイプの過激思想が、実際は、裕福に育った適応力の高い人たちからもたらされている」と述べている。(c)AFP/Katherine HADDON