【2月23日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」による拘束下で死亡した米国人女性、カイラ・ジーン・ミューラー(Kayla Jean Mueller)さん(26)の父親が、バラク・オバマ(Barack Obama)政権は身代金を支払わないという方針を「米国人の命よりも優先した」と批判した。

 シリア北部アレッポ(Aleppo)で2013年8月に拘束されたミューラーさんについて、ISは今月6日の有志国連合による空爆で死亡したと主張している。一方、米当局ははっきりとした死亡原因は判明していないと説明している。

 メディア取材を拒否してきたミューラーさんの家族は21日、米NBCテレビの番組「ミート・ザ・プレス(Meet the Press)」とのインタビューに初めて応じた。インタビューの全内容は23日にNBCの別の番組で放映される予定で、22日にはその抜粋が公開された。

 その中で父親のカール・ミューラー(Carl Mueller)さんは、米国人を拉致・誘拐した外国の組織とは交渉をせず、身代金も払わないという米政府が長く固持してきた方針は「理解している」とした上で、「子を持つ人ならだれもが、自分の子どもを取り戻すためにはどんなことでもしたいと思うだろう。だから私たちは努力し、頼んだ。だが彼ら(米政府)は米国人の命よりも政策を優先した」と語った。

 一方、他の欧米諸国は、人質解放のために巨額の身代金を支払っていることが知られている。(c)AFP