【2月21日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系イスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」が20日、ソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)にある高級ホテルを襲撃し、金曜礼拝に出席していた政府要人ら少なくとも25人が死亡、多数が負傷した。

 襲撃されたセントラル・ホテル(Central Hotel)は大統領府にも近く、厳重に警備されていたが、自動車爆弾と自爆犯による2度の爆発に続いてアルシャバーブの戦闘員が館内に突入。激しい銃撃戦の末に治安部隊が制圧した。今回の攻撃は、ソマリアで近年発生した攻撃事件の中でも最悪の規模のものとなった。

 ある警察官は「爆発は非常に大きく建物はかなりのダメージを受けた。多くの人が負傷し、その大半が重傷だ」と話した。政府のラジオ放送によるとモガディシオ副市長と議員1人が死亡し、副首相と交通相が負傷した。「ヴィラ・ソマリア(Villa Somalia)」の名で知られる大統領府の関係者によると、重傷者が多いため、死亡者数は増えるとみられている。

 アルシャバーブのアブドゥルアジズ・アブ・ムサブ(Abdulaziz Abu Musab)報道官はAFPに対し、「セントラル・ホテルで背教者の政府要人を攻撃したのはわれわれの戦闘員だ」と述べて犯行を認めた。

 アルシャバーブは、国際社会の支持を受けている同国政権の打倒を目指し、ホテルや国際空港、ヴィラ・ソマリア、国連(UN)の施設、レストランを狙った攻撃を繰り返している。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領のソマリア訪問を翌日に控えていた先月22日には、近隣のSYLホテル(SYL Hotel)で自爆攻撃を起こしていた。(c)AFP