【2月20日 AFP】タイの暫定議会は19日、同国の代理出産ビジネスをめぐりスキャンダルが相次いだことを受け、外国人カップルがタイの女性を代理母として利用することを禁止する法案を全会一致で可決した。

 法案の引き金となったのは、昨年8月にオーストラリア人夫妻が、タイの女性に代理出産を依頼して生まれた男女の双子のうち、ダウン症候群だった男児の引き取りを拒否したとされる出来事。タイ暫定議会のワロップ・ツングカナヌラク(Wallop Tungkananurak)議員は「タイとその女性たちの子宮は今後はもう(代理出産の)ハブではない」と語った。

 6月までに施行される可能性の高いこの新法の下では、タイ人同士のカップルかあるいは少なくともカップルのうちの1人がタイ出身者でなければ、タイ国内で代理出産を依頼することができなくなる。また、カップルが子どもを妊娠・出産することが不可能なことと、代理出産を頼める親族がいないことも、証明する必要がある。違反者には10年以下の禁錮刑が科される。

 営利目的の代理出産は、タイ医療評議会(Medical Council of Thailand)によって公式に禁止されており、昨年8月の豪州夫婦の騒動から数週間後には、当局が複数の体外受精クリニックの閉鎖に乗り出していた。(c)AFP