カナダ・オンタリオ(Ontario)州出身のアンドリューさんは、ISが臓器売買によって資金を得るために、多数の人を殺害し遺体を刻んでいる「殺りく場」があると聞いて参加した。そうした場所の存在を示す証拠はないが、キリスト教福音派や反イスラム組織の間では、北米を中心にそうしたうわさが広く流布している。

 またISが今月15日、リビアで拘束したエジプトのコプト教(キリスト教の一派)の信者21人を斬首する場面を撮影した映像を公開したことで、ソーシャルメディア上では欧米諸国に対し、新たな行動を求める声が高まっている。動画は「十字架の国に対する血で署名されたメッセージ」と題されていた。

■無謀な「インターネット・カウボーイ」たちの行き場

 トルコ国境に近いシリア北部の要衝の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)では先月末、クルド人民兵組織「人民防衛隊(YPG)」がISの戦闘員らを撃退した。シリアに拠点を置くYPGの関連組織は、トルコのクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)」だ。

 数か月にわたるYPGの戦闘に魅了されて来た義勇兵は多い。米陸軍に7年間従軍したスコットさんも、このYPGへ合流しようとしていた。だが、それは「やつらが『赤の』集団だと分かるまで」だったという。

 ドゥエイフ・ナウシャの他の外国人戦闘員たちは「YPG内の社会主義者系の一群によって参加を拒否された」と話した。英陸軍アイルランド近衛連隊(Royal Irish Regiment)出身のアラン・ダンカン(Alan Duncan)さんも最近、同じ理由でYPGから脱退した。

 ダンカンさんによれば、YPGからの外国人戦闘員の大量流出はすでに始まっている。こうした外国人たちについて、YPGの外国人戦闘員の中で象徴的存在とされる元米軍兵士のジョーダン・マトソン(Jordan Matson)さんは、コバニで強烈な戦闘を目の当たりにして気おくれしたのかもしれないと言う。「ネット上の情報に基づいて、むちゃな行動に出た『インターネット・カウボーイ』たちの大半は、ここでの戦いが通常の派兵とは違うことに気付き、戦意を喪失したのかもしれない」(c)AFP/Jonathan Krohn