■実現すれば、ペイパービューの記録更新は確実

 対戦が実現すれば、ボクシング史上最多の視聴者を集めることは確実で、ローチ氏も「史上最大のファイトになるだろう。さまざまなところで、私たちの住む世界に影響を及ぼすはずだ。ペイパービューの視聴者も、世界のほとんどすべての地域から集まるだろう」と語った。

 ところが、両選手がショータイム(Showtime)とHBOという、テレビ界のライバル企業とそれぞれ契約を結んでいることもあり、こうしたペイパービューの収益も、交渉を難航させる原因になっている。

 いくつかのメディアが、パッキャオに近い筋の情報として伝えたところによれば、パッキャオは、ファイトマネーの大半をメイウェザーに譲っても構わないと考えているという。

 それでもローチ氏にとってみれば、対戦が実現すれば、どちらがよりファンを沸かせるかは考えるまでもない。パッキャオは、エキサイティングな試合をするためなら多少のリスクはいとわないファイティングスタイルを特徴としている。

 そしてディフェンスに長けたメイウェザーについては、無敗記録の継続を重視してリスクは避けるだろうから、あまり多くは期待できないと話している。

「彼はファンのことはあまり考えないと思う。勝てば十分というボクシングに徹するはずだ。マニーはそうじゃない。だからこそ、これまで何度かKOを食らってきた」

「これからもそういうことはあるだろう。それでも私は、とにかく最終ラウンドまで乗り切ることだけを考える選手よりは、KO覚悟で勝ちに行くファイターを見たいね」

(c)AFP/Rebecca BRYAN