警察はまだ容疑者の氏名を発表していないが、過去に人を襲ったことや、武器の所持で法律に違反したことがあると明かしている。また日刊紙ベリンスケ(Berlingske)によると、服役中にフセイン容疑者は、イスラム過激派の活動に加わるためにシリアに行きたいとも語っていたという。デンマーク警察情報局のイェンス・マッセン(Jens Madsen)長官は、フセイン容疑者が当局の「レーダーにかかっていた」と認めている。

 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のテロリズム専門家、ハンス・ブリュン(Hans Brun)氏はAFPの取材に対し、フセイン容疑者が過激主義者の「非常に典型的な人物像」に当てはまると指摘。「問題の多い人生を送っていたが、犯罪組織のトップレベルには受け入れてはもらえなかった。刑務所の出入りを繰り返してはいたが『大物』とみなされることはなかった」と語った。

 シリアで過激派に合流する計画を持っていたかどうかにかかわらず、フセイン容疑者には「国産テロリスト」の特徴がいくつもあったと、ブリュン氏は語る。「誰かが危険人物になるのに外国へ行くことは必ずしも前提条件ではない。国内でおとなしくしている人物が極めて過激化することもある。(ノルウェー乱射事件のアンネシュ・ベーリング・)ブレイビク(Anders Behring Breivik)がそうだ。彼は私たちの中の一人だったのだ」(c)AFP/Peter HARMSEN