【2月14日 AFP】ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」は13日、隣国チャドのチャド湖(Lake Chad)に面した村に侵入した。ボコ・ハラムがチャド国内を攻撃したのは初めて。同組織が攻撃を行った国は4か国になった。

 ボコ・ハラムの戦闘員は、チャド湖に面したナイジェリアの町バガ(Baga)から闇に紛れて船で広大なチャド湖を渡り、チャド領内に侵入して対岸の湖畔にある村ヌグブア(Nougboua)を攻撃した。

 チャド陸軍の報道官は同国の国営ラジオで、「ボコ・ハラムは、動くものすべてに発砲した」と述べた。チャドの国防当局によると、ボコ・ハラムの攻撃を逃れたナイジェリア人が多く避難していた同村は、今回の攻撃でその3分の2が焼失した。しかし、軍用機の支援を受けたチャド軍が応戦して戦闘員を撃退し、船も破壊したという。

 チャド政府当局によると村長と兵士の計2人が死亡、兵士4人が負傷し、ボコ・ハラムの戦闘員2人死亡、5人が負傷した。しかし、同国の別の国防関係者が匿名で語ったところによると、チャド側の死者は一般市民が4人、兵士1人の計5人だという。

 今回の攻撃で、カメルーン、チャド、ニジェールと国境を接するナイジェリアの北東部で、カリフ統治領を築こうと6年前から攻撃を繰り返しているボコ・ハラムとの戦闘は新しい段階に入った。(c)AFP/Stéphane Yas