【2月11日 AFP】中国のサイバースパイ集団が、米経済誌フォーブス(Forbes)のウェブサイトをハッキングし、このウェブサイトを訪れた軍事関連企業や金融企業などを追跡していたことがわかった。複数の米サイバー・セキュリティー企業が10日、明らかにした。

 サイバーセキュリティー企業「インビンシア(Invincea)」と「アイサイト・パートナーズ(iSight Partners)」によると、このハッキングは昨年11月に発生したもので、フォーブス誌のウェブサイトForbes.comや他の合法的なサイトを悪用した、「たまり場(または、水飲み場、Watering Hole)」型攻撃と呼ばれるものだという。

 たまり場型攻撃とは、標的とするユーザーに人気があるウェブサイトにハッキングし、そのサイトにウィルスを仕掛け、サイトの訪問者をウィルスに感染させるもの。

 Forbes.comを標的としたサイバー攻撃は2、3日続いただけのように見えるが、インビンシアとアイサイト・パートナーズによると、より掘り下げて調査すれば、攻撃がもっと長期にわたっていたことが突き止められるだろうと述べている。

 アイサイト・パートナーズでは、この攻撃の背後にいるのは、同社がコドソ・チーム(Codoso Team)、またサンショップ・グループ(Sunshop Group)、と呼ぶ中国のサイバースパイ工作員らだと考えている。

 このサイバースパイ集団はこれまでにも、米政府や軍、軍事関連企業、国際問題シンクタンク、金融企業、エネルギー企業、反体制活動家などを対象にしたサイバースパイ活動に関与したとされている。(c)AFP