【2月11日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のカレンダーから外れた韓国GP(Korean Grand Prix)の主催者が、F1側から契約違反として多額の違約金を請求される見通しであることが判明した。

 全羅南道(South Jeolla Province)の地元自治体関係者などからなる韓国GPの組織委員会は、経済的な問題を理由に2014年シーズンのGP開催を断念し、2015年のF1カレンダーからも削除させた。

 ところが、韓国GPの関係者が11日に明かしたところによると、F1の興行権を持つフォーミュラワン・マネジメント(FOM)から正式な通達が届き、2015年大会の開催に必要な銀行の信用状を用意することと、それができなければ契約に対する「重大な違反」になることが伝えられたという。

 この関係者はAFPに対し、「われわれはFOMと話し合うため、ロンドン(London)に出向こうと考えている」と話した。

 報道によると、2015年大会不開催の違約金は、GP開催のライセンス料4300万ドル(約51億円)の倍額、つまり8600万ドル(約102億円)に上る可能性があるとされている。

 組織委員の役員は、「FOMがいくら要求しているかを明かすことはできない」と話す一方で、その額は8600万ドルに比べれば「わずか」だとつけ加えた。

 2010年に南部の街、霊岩(Yeongam)で初めて開催された韓国GPの契約期間は2016年までで、さらに5年の更新オプションが付いていた。

 ところが大会は当初から多額の損失を出し、開催された4回分の累積赤字は総額1900億ウォンに上った。

 韓国GP関係者によれば、契約を結んだ組織委員会はほぼ「崩壊」状態にあり、全羅南道からのこれ以上の資金援助も期待できないという。

 現地では、民間の活動家が検察当局に告訴状を提出し、金銭リスクがあるにもかかわらずF1のプロジェクトを推し進めた、当時の全羅南道知事らを捜査するよう求めている。(c)AFP