【2月10日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は9日、選手の安全を確保するために、最大限の努力が必要であるという声を受け、ハーバード大学(Harvard University)医学部のエリザベス・ネーベル(Elizabeth Nabel)教授を、主任医療アドバイザーとして起用すると発表した。

 ボストン(Boston)のブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)で院長を務めるネーベル氏は、心臓や生物医学の専門家として研究を行っており、米国立衛生研究所(National Institutes of HealthNIH)の国立心肺血液研究所(NHLBI)では所長を務めていた実績を持つ。

 ネーベル氏は、ロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナー直属の部下として、戦略的にリーグの医療、健康及び科学分野において医学専門知識を提供する。また、NFLの各医療委員会に従事し、選手の安全、保護、そして治療を強化すべき領域を特定する。

 コミッショナーは、「ネーベル医師の洞察力で、これからも試合を向上させ安全性を高める道を模索していけることをうれしく思う」とし、「試合は、これまで以上に安全に行われているが、ネーベル医師のような人物の専門知識を得ることは、さらなる安全につながる」と述べた。

 近年のNFLでは、激しく頭をぶつけ合う試合が多く、選手が脳振とうを起こして退場を余儀なくされるケースが増えている。さらに、最近では心身の不調で引退する選手が増加しつつあり、中にはうつ病や精神疾患に陥ることもあるという。(c)AFP