【2月8日 AFP】台湾・台北(Taipei)市郊外で4日、復興(トランスアジア)航空(TransAsia Airways)の旅客機が道路橋に接触して川に墜落する場面を捉えた身のすくむような映像は、利用者が増加し続ける車載カメラが世界的に車の一般的な装備になっていることを改めて知らしめた。

 7日までに40人の死亡が確認されたこの事故の様子は、少なくとも2台の車の車載カメラで撮影されていた。だが、これは全くの偶然ではない。交通事故に巻き込まれた際に身を守るものとして、台湾でも車載カメラを設置する人は増え続けている。

 まれにしか発生しない出来事が車載カメラの映像に収まるのは今回が初めてではない。

 2013年2月にはロシア・チェリャビンスク(Chelyabinsk)で隕石(いんせき)が落下する様子が撮影された。このときの隕石落下では1000人以上が負傷している。

 また、2014年夏にはウクライナ東部で道路を走っていた車のわずか数メートル先にミサイルが着弾する瞬間が捉えられた。

 低速で走行中の車のフロントガラスに故意にぶつかり、保険金をだまし取ろうとする「当たり屋」が多いロシアでは、車載カメラの人気は特に高い。

 このほか、シンガポール最大のタクシー会社は事故発生時の証拠を保全するとともに、運転手に安全運転を心掛けさせる効果も狙って、所有する約1万6600台の車両全てに車載カメラを設置している。車載カメラ設置済みの人を対象に保険料の安い自動車保険も登場している。

 車載カメラが最初に普及し始めたのは欧州。フランスの消費者団体UFC-ク・ショワジール(UFC-Que Choisir)が発行する雑誌によるとフランス国内での販売数は2014年初めまでに37万台以上に達した。

 フランスのドライバー団体「40 Millions d'Automobilistes」(4000万人のドライバーたち)のピエール・シャスレ(Pierre Chasseray)代表は「交通安全の観点から言えば(車載カメラの普及は)非常に良い傾向だ。運転する人に責任ある行動を促すものでもある。カメラは決して嘘をつかない」と語り、車載カメラは標準装備にすべきだと述べた。(c)AFP