【2月9日 Relaxnews】米国の料理評論家が、フランスの有名レストランのバイブル「ミシュランガイド(Michelin Guide)」の真価を問いただしている──同ガイドのパリ(Paris)版に掲載されているレストランのほとんどがその高額な料金に見合う料理を提供していない一方で、あまり知られていない新入りの店はそれよりもはるかに価値の高い料理を提供しているという。

 人気オンラインレビューサイトで、英語圏の旅行者向けにグルメツアーも企画している「パリ・バイ・マウス(Paris By Mouth)」を運営するメグ・ジンベック(Meg Zimbeck)氏は、ミシュランガイドで二つ星または三つ星を獲得したパリのレストランすべてを4か月かけて匿名で訪れて調査を実施。調査結果はジンベック氏のウェブサイト「http://parisbymouth.com/haute-cuisine/」で発表された。

 調査の目的は「ミシュランガイドを批判することではなく」、ガイドのすすめるままに店を訪れ、独自の視点で店を審査することだったと語るジンベック氏は、10年間にわたりパリに住み、そのほとんどの時間をフード・ライターとして過ごしてきた。

 偽名で16軒のレストランを訪れ合計7150ユーロ(約95万円)を支払って分かったことは、ミシュランのおすすめは常に素晴らしいものというわけではなない、ということだったという。

 ミシュランガイドに従ってレストランを訪れると、たいていは街の中心部にある贅沢なダイニングルームで豪華なサービスを受けられるが、一方でメーン料理はパリ東部のさほどおしゃれではない地域にあるはるかに安くこぢんまりとしたレストランの料理に比べて味が良いわけではなく、時にはこうしたレストランに劣ることすらあるという。

 同氏が最悪の評価を下した一流レストランは、シャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)近くの五つ星ホテル「プラザ・アテネ・ホテル(Plaza Athenee Hotel)」内のレストラン「アラン・デュカス・オ・プラザアテネ(Alain Ducasse Au Plaza Athenee)」だ。同ホテルは昨年、大規模な改修を行い、リニューアルオープンしたばかり。ミシュランの星を取り戻すことを目指している。

 一方、同レストランとしのぎを削る、近くのフォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュ・サンク・パリ(Four Seasons Hotel George V Paris)の「ル・サンク(Le Cinq)」と「ピエール・ガニェール(Pierre Gagnaire)」の高級レストラン2店は、ミシュランガイド通りの価値があるとジンベック氏は結論付けている。

 しかし、ジンベック氏が「真に希有な現代フランス料理」と評する選りすぐりのレストランたちは、ミシュランガイドには掲載されていない。ランチメニューは30~50ユーロ(約4000~6700円)からで、三つ星レストランの10分の1の値段だ。

 そのうちの一部として挙げているのが、内装の木材が印象的なパリ左岸のレストラン「ダビド・トゥタン(David Toutain)」とパリ東部の隠れ家的レストラン「セプティーム(Septime)」だ。(c)Relaxnews/AFPBB News