【2月4日 AFP】(写真追加)イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は3日、拘束中のヨルダン軍パイロットを生きたまま火をつけて殺害したとする動画を公開した。同組織による外国人人質の殺害の中でも、最も残虐な「処刑」を世界に見せ付けた形となった。

 高度に編集されインターネット上に公開された約22分間の動画には、昨年12月に拘束されたモアズ・カサスベ(Maaz al-Kassasbeh)中尉(26)とされる男性が、金属製のおりの中で炎に飲み込まれる様子が映っている。

 ヨルダン政府は、動画の信ぴょう性については確認中だとしながらも、カサスベ中尉の死亡を認めた。その上で、「天地を揺るがすような」対応を取ると誓った。

 ヨルダン軍は、「殉職者の血を無為に流されたことにはしない、そして…復讐(ふくしゅう)は、全国民に衝撃を与えたこの惨事の大きさに比例する規模になる」と警告した。

 ヨルダン国営テレビは、カサスベ中尉が殺害されたのは、自爆未遂でヨルダンに収監されているイラク出身のサジダ・リシャウィ(Sajida al-Rishawi)死刑囚の釈放と、同中尉の命、さらに人質に取られていた日本人ジャーナリストの後藤健二(Kenji Goto)さんの解放を交換条件にイスラム国が交渉を持ち掛けてくる前の先月3日だったと報じた。

 ある治安当局者は、4日早朝にもリシャウィ死刑囚の死刑が執行される見通しだと明かした。(c)AFP