【2月4日 AFP】(記事更新)日本サッカー協会(JFA)は3日、スペイン1部リーグの監督時代に八百長に関与したとして、同国の検察当局に告発されたハビエル・アギーレ(Javier Aguirre)監督を解任したと発表した。

 日本代表監督としては史上最高となる年俸245万ドル(約2億5000万円)で契約したと伝えられている56歳のアギーレ監督だが、混乱を招いた短命政権にこれで終止符を打つことになった。

 JFAの大仁邦弥(Kuniya Daini)会長は、テレビで全国中継された会見で「今回、アギーレ監督との契約を解除する結論に至りました」と語った。

「W杯アジア予選に影響が出ないよう、リスクを排除する必要があると考えました」

 2014年に日本代表監督に就任したアギーレ監督は、以前指揮を執っていたレアル・サラゴサ(Real Zaragoza)の八百長疑惑が浮上した際、監督として八百長に関与したと疑われている。

 アギーレ監督は今月、2011年に行われたスペイン1部リーグのレバンテ(Levante)対サラゴサの試合で八百長に関与した容疑で、バレンシア(Valencia)の裁判所に出頭することになっている。

 スペインの検察当局によると、サラゴサはレバンテの選手に現金を支払うために、特定のコーチやスタッフ、選手の預金口座に総額96万5000ユーロを振り込んだとしている。

 アギーレ監督が八百長疑惑について自身の潔白を主張し、日本代表が大会連覇のかかる第16回アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)を控えていたため、JFAはアギーレ監督に関する問題の対応を先送りにしていた。

 そして日本代表が先月、アジアカップの準々決勝でアラブ首長国連邦(UAE)とのPK戦に敗れたことで、アギーレ監督の進退問題が再燃した。

 JFAから発表された声明の中で、アギーレ監督は「日本で仕事ができたことはとても幸せでした。日本のサポーターの皆様の応援に感謝しています。日本代表の将来に幸運を祈っています」とコメントしている。

 アギーレ監督解任について、大仁会長は八百長問題が理由ではなく、チームに対してどんな影響も避けたかったからだとしている。

「嫌疑がかけられている八百長問題が今回の決断に至った理由ではありません」

「われわれは日本代表チームに影響を及ぼさないよう、リスクを排除する必要があると考えました」

「われわれはアギーレ監督の手腕や力量を高く評価しています」

 大仁会長はまた、「アギーレ監督には無実の証明に全力を尽くしてほしい」と述べ、自身が直接アギーレ監督に契約解除を申し入れたことを明らかにした。

「代表チーム、ファン、サポーター、スポンサーと関係者のみなさまには大変申し訳なく思っています。われわれが下した今回の結論をご理解いただき、今後ともご支援いただきたいと思います」

(c)AFP