【1月31日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」などのイスラム過激派は、プロパガンダや戦闘員採用などの目的でかなり積極的にインターネットを活用してきたが、このところ急速にネット上で鳴りを潜め始めている。専門家によると、自らに関する極めて重要な情報を各国の捜査当局がネット経由で収集していることにこれらの組織が気付いたためだという。

 仏司法警察で対テロ活動を担当するフィリップ・チャドリス(Philippe Chadrys)氏は今週、フェイスブック(Facebook)への投稿のおかげで過激派戦闘員の地理的な位置を特定できる場合があると述べた。ページを一般公開に設定している戦闘員さえいるという。

 シリアに捜査員を派遣できない現状では、このようなネット上の情報は立件に必要な証拠を提供してくれるとチャドリス氏は言う。例えば、シリアからフランスに帰国したフラビアン・モロー(Flavien Moreau)受刑者(28)は、自分でネット上に投稿した情報のみを証拠として昨年11月に禁錮7年の有罪判決を受けた。

 しかしチャドリス氏によると、過激派のメンバーたちはフェイスブックなどに情報を掲載することによって自分に不利な情報を自ら提供していたことに気付き、傍受がずっと困難なインターネット電話サービスの「スカイプ(Skype)」や、「WhatsApp(ワッツアップ)」などのメッセージングサービスへの依存度を一層高めているという。

 イスラム国は昨秋、構成員向けのガイドラインを出し、ツイッター(Twitter)上に具体的な地名を記載しないこと、顔写真をぼかすこと、進行中の作戦の詳細に関する記述を控えるよう指示した。