【1月30日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」との戦いは、戦場だけでなくオンラインでも繰り広げられている。米専門家によると、マイクロブログのツイッター(Twitter)では、この数か月でイスラム国関連のアカウント1万8000件が凍結されたという。

 武装集団のソーシャルメディアにおける活動を監視する米シンクタンク「ブルッキングス研究所(Brookings Institution)」のJ・M・バーガー(J. M. Berger)特別研究員は27日、米下院外交委員会で「最も活発で影響力のあるユーザーらが凍結処分となっており、(イスラム国支持者らは)かなりの圧力を受けている」と報告した。

 バーガー氏がもう一人の専門家ジョナソン・モーガン(Jonathon Morgan)氏とともに作成した報告書によると、昨年秋以降、イスラム国のものと確認されたツイッターアカウント800件が凍結された。だが、これは「氷山の一角かもしれない」という。同時期にはイスラム国に「関連した」1万8000件近くのアカウントが凍結されたからだ。

 バーガー氏は下院外交委員会で、現在もイスラム国に関連したツイッターアカウントは数万件単位で存在するが、イスラム国の支持者らは大量のアカウント凍結を「壊滅的」と表現していると述べた。

■関連アカウントは4万5000件以上

 イスラム国は最近まで、ソーシャルメディア上での活動が比較的容易に行える状態にあった。

 だがバーガー氏によると、イスラム国が米ジャーナリストのジェームズ・フォーリー(James Foley)氏を斬首する場面を写した残虐動画を昨年8月に公開してからは、ツイッターや交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)、動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)は、「テロリズム」を支援する投稿を特定するためにより厳格なルールを導入した。

 ツイッターによる凍結措置は特に活発な一連のアカウントを対象に行われ、イスラム国の宣伝活動の妨害につながったが、あまり活発でないアカウントは対象外となっているため、情報機関によるイスラム国支持者らの監視に活用されているという。

 またバーガー氏によると、イスラム国支持者のツイッターアカウントは、凍結されたアカウントや最近作成されたアカウントも含めると4万5000件以上に上る。そのうち特に活発なツイッターアカウントは「ISIS(イスラム国の別称)のメッセージを増幅させるために連携を取り、ISISのプロパガンダへのリンクやハッシュタグを不自然なほど速いペースで投稿し、検索結果の上位や、第三者が収集するコンテンツに入り込んでいる」という。さらにイスラム国は「ボット(自動投稿プログラム)」を多数利用してメッセージを拡散させてもいるとされる。

 同報告書はグーグル・アイデアズ(Google Ideas)の委託を受けて作成され、3月に公開される予定。(c)AFP