【1月30日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は29日、西アフリカにおけるエボラ出血熱の1週間当たりの新規患者数が、先週は6か月以上ぶりに100人を下回ったことを明らかにした。史上最悪規模となっているエボラ熱流行が終息に近づきつつあるとの期待を高める数字だ。

 WHOが発表した最新の統計によると、エボラ熱流行の被害が最も大きいギニア、リベリア、シエラレオネの3国では、1月25日までの1週間で確認された新規感染者数は99人で、2014年6月末以降で初めて100人を下回った。WHOは声明で「エボラ熱流行への対応は、第2段階に移行した。この段階での活動の焦点は、感染の減速から流行の終息に切り替わる」と述べている。

「この目標を一刻も早く達成するために、取り組みの内容を、迅速なインフラ構築から、患者の発見、患者の管理、安全な埋葬、地域共同体の管理などを行うための能力の最大限の効率的活用を確実にすることに移行した」

 しかし、国連(UN)でエボラ熱対策支援を担当するデビッド・ナバロ(David Nabarro)調整官は、流行はまだ完全に封じ込められたわけではないと警鐘を鳴らす。

 ナバロ調整官は、AFPの取材に「患者数は週を追うごとに減少しており、多くの場所でゼロに近づいている。だが、(感染拡大の)再発もまだ時折起きており、接触者リストの範囲外で新規患者が発生するという予期せぬ事態にもいまだに遭遇している」と語った。

 今回のエボラ熱大流行では、1年間で9000人近くが死亡し、世界中で大きな健康不安が巻き起こった。死者の大半はリベリア、ギニア、シエラレオネの西アフリカ3国で発生した。2013年12月に始まったエボラ大流行で大きな打撃を受けた同3国では、最近は新規患者数が週ごとに減少、ウイルスが衰退しつつある兆候がみられている。(c)AFP/Karim LEBHOUR