【1月30日 AFP】スペイン南東部のロスリャノス(Los Llanos)空軍基地で今月26日に北大西洋条約機構(NATO)の訓練に参加していたギリシャ軍のF16戦闘機が離陸に失敗し、地上に駐機していた別の軍用機に激突して炎上した事故について仏軍当局は29日、離陸する際の機器の故障が原因だったと明らかにした。

 スペイン南東部アルバセテ(Albacete)近郊にあるロスリャノス基地は、NATOの精鋭航空部隊の合同訓練施設があり、10か国から空軍兵士が参加している。この事故では地上にいたパイロットや整備士らも巻き込まれ、これまでにフランス人9人とギリシャ人2人が死亡したほか、フランス人9人とイタリア人11人が負傷している。フランス軍が1日に出した死者の数としては、2008年にアフガニスタンで待ち伏せ攻撃を受けて10人が死亡した時の後としては最も多くなった。

 仏空軍のデニス・メルシエ(Denis Mercier)参謀総長は報道陣に対し、予想もできなかった事故だったと述べ、「F16は駐機していた軍用機の列の真っただ中に突っ込んだ。軍用機は離陸の準備中だったため大量の燃料があった」と説明。さまざまな証言から旧日本軍による真珠湾攻撃を描いたハリウッド映画『パール・ハーバー(Pearl Harbour)』(2001)が頭に浮かんだと語るとともに、回収されたブラックボックスの解析が進めば、事故の詳細がより明らかになるだろうと述べた。(c)AFP/Valérie LEROUX