■衝突する各国の思惑

 人質交換は、日本と強固な同盟関係を結び日本の外交政策の基盤でもある米国の怒りを買う可能性もある。米政府は26日、人質交換は身代金の支払いと「同じカテゴリー」に入るとの見解を示した。

 穏健派イスラム国家のヨルダンは、中東諸国の中でも日本と最も良好な外交関係を築いている国の一つだ。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は今月の中東歴訪で、ヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)と会談。同国のイスラム国に対する戦いをたたえた他、1億ドル(約118億円)の円借款と、国際機関を通じた2800万ドル(約32億円)の支援を約束した。

 イスラム国が先週、後藤さんと湯川さんの映像を公開し、2億ドル(約236億円)の身代金を要求すると、日本政府はヨルダン政府に協力を要請した。

 だが、イスラム国が湯川さん殺害を発表し、要求の内容をリシャウィ死刑囚釈放へと一方的に変えると、事態はヨルダン政府にとって望ましくない方向に展開した。

 人質になっている自国民の解放を最優先課題にしているヨルダン政府は、資金力のある日本を失望させて将来の両国関係に悪影響を及ぼすことも恐れているかもしれない。