■「最大限の柔軟性」

 バイエルンがリーグを支配するというフェラー氏の見解は、文句をつけようがないほど完璧に的中している。

 ユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)前監督の下で4-2-3-1システムを採用したバイエルンは、2012-13シーズンに欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)、ドイツカップ(German Cup 2012-13)、ブンデスリーガ制覇というドイツ勢初の三冠を成し遂げた。

 そして、ハインケス前監督からチームを引き継いだグアルディオラ監督は、ボール支配率を高めることで、チームを新たなレベルに引き上げた。

 バイエルンは驚くほど高いボール支配率をコンスタントに記録し、グアルディオラ監督は迷うことなく試合中にフォーメーションを何度も変更している。

 チームの主将を務めるフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)は、それを「最大限の柔軟性」と語っている。そして、トーマス・ミュラー(Thomas Muller)は、グアルディオラ監督は間違いを犯したとき、それを認めることを恐れていないと話している。

「彼はすべての試合であらゆる選手のことを考え、正しい戦術を見いだしている。しかし、10分後にその戦術が効果的ではないと判断すれば、彼は意固地にならず、それを変えることができる」

 スペイン出身のシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)は、スター選手をそろえたチームが、試合中に新しいシステムに適応することに何の問題もないとしている。

「試合の中で置かれた状況に素早く対応するため、僕らは複数のシステムを採用している」

 しかし、誰も止めることができないバイエルンの快進撃の原動力になっているのは、リーグ首位を独走している現状に満足していないグアルディオラ監督の飽くなき欲望にある。

 グアルディオラ監督は、「ドルトムントの状況を見ていると、いつもこう思うんだ。『いいかペップ、人ごとじゃないぞ』とね」と語っている。

「これは私にとっても教訓になる。バイエルンだって負けることはある。そうした状況を避けるために、常に今以上を目指さなくてはならない」

「サッカーにできないことはない。だから油断することなんてできないよ」

(c)AFP/Ryland JAMES